先生のビー玉
始業のチャイムが鳴る。

「何かあったでしょ?」

席に座る間際に聞かれる佳奈。
困った顔をしていると、

「放課後、絶対に話しなさいよっ」

そう言うと、席に座る貴子だった。
池田が教壇にたつ。

「あともう2週間ほどで夏休みだ。
徐々にテストも戻ってきてるだろうし、ちゃんと肝に銘じとけよ」

とニヤリと笑って言う。
あちらこちらで悲鳴や笑い声が聞こえてくる。

「それと、就活!
ちゃんと今からやっておかないと…後悔するぞっ!
進学組もちゃんと気合い入れてがんばれよっ」

朝から気合い入れも良いところだ。

「それでは、これで終わり」

HRが終了した。

1限目はパソコン室。
残念ながら彼が教科担ではないが、もしかしたら準備室で会えるかもしれない。

「貴子、行こう」

教科書を持って彼女の席に向かう。
笑いながら準備をし、

「ゲンキンな奴」

そう言い、パソコン室に向かう。
途中、彼女は全く先ほどの事は聞いてこない。
そればかりか、剣道の話ばかりだ。
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