先生のビー玉
すると…

「じゃ、佳奈ちゃん、ここに座りなさいって、名字は?」

有川が言う。

「戸田です」

「戸田さんね…ここに座ってみて」

おとなしく座る佳奈。
すると…
肩を押し始めた。
いきなり右肩を…

「っ…」

思わず体を反らす。

「痛いの?」

「…」

「打撲かしら?ちょっとボタンを外して」

彼女には逆らえそうもない…
佳奈が二つほどボタンを外す。

「肩って言うより…二の腕の上のほうね…
青あざになってるわよ」

有川が湿布を貼ってくれた。
黙ってうつむいている佳奈。
黙ってじっと彼女を見る貴子。
その貴子を見て…

「なんかあるわね」

有川が処置をし終わると…
患部をポンッと叩き…

「はい、終了。
彼女がわけを聞きたがってるみたいよ」

「っ…」

患部をさすりながら貴子を見る。

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