先生のビー玉
「お大事にね」

有川に言われ、礼を言い外へ。

「ありがとうね。貴子」

彼女にも礼を言う佳奈。

「気付いたのは…池田。
田村が佳奈を呼んだのは、何があったのか聞きたかったみたい」

パソコン室に向かいながら聞かされる話。

「逆に心配かけちゃったね…」

佳奈が言うが…

「別に佳奈が悪いんじゃないわよ。
あんなことしておいてひょうひょうとしてるあいつが信じられない」

「それだけ先生の事が好きなんだよ。
まぁ…私にはできないけどさ」

「佳奈…」

「だってそうでしょ?
たとえ好きでもこんなことしちゃいけないでしょ」

肩をすくめて笑う佳奈だった。
そしてパソコン室に到着する。
すでに課題が出されているようだ。

「もう始まっちゃってる」

あわてて中に入ると…

「二人とも…遅いっ」

彼が二人分のプリントを持って立っていた。

「すみま…」

「ちょっと、おなかの調子が悪くて、保健室言ってました~」

貴子が大声で言う。
笑う部員たち。
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