先生のビー玉
「えっと…あ、ココだ」

「先生、こっちです」

「あ、そうか」

会場である視聴覚室へ到着した。

「先生…大学みたいだね…」

思わず呟く佳奈。

「あぁ、さすがだな…
あ、M学園の田村です。
午後からの作業を教えていただけますか?」

彼がK学園の教師に話しかけている。
その間に、その教室を見まわす。
すると…

「君、M学園の子?」

と声をかけられる。

「あ、はい」

振り向くと…背の高い男子生徒から声をかけられた。

「へぇ、前日から来たってことは…泊まりかな?」

ニコリと笑って話しかけてくるこの男子生徒。

「はい」

「俺、滝川孝司、とれあえずK学園情報処理部の部長」

と言われ…

「あ、えっと…私は、M…」

「戸田っ、戻るぞ」

「えっ、あぁはい」

いつもと違う口調の彼に驚いた佳奈、孝司に頭を下げ彼の後に続いた。

「警戒された?」

孝司、首をかしげてそう言うと、

「ま、また会えるだろうし」

そう言い、二人の後姿を眺めていた。


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