先生のビー玉
作業を始めてまもなく…

「手伝おうか?」

「え?あ、大丈夫です」

相手の顔を見らずに作業をしていると、

「戸田佳奈ちゃん」

「はっ?」

「ネームプレート」

「あ、あぁ、です」

顔を上げると…さっき勝手に自己紹介をし始めた…滝川孝司だった。

「さっきは邪魔されちゃったから」

「邪魔?」

「先生」

彼を指差す孝司。

「あぁ…」

納得する佳奈。

「俺、暇だから手伝うよ。
俺がそれを置いていくから貼って行って」

「あ、いいです…」

「いいから、一人でするよりも二人でやったほうが早く終わるし」

まぁ、筋は通っている。
先ほど隙があると言われたのだが…
別に手伝ってもらうくらいなら…
というか、勝手にやっちゃってるし…
そんなこと言ってられない…か。

作業を続けた。

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