先生のビー玉
「佳奈ちゃん」

「はっ?」

以外に下の名前で呼ばれた佳奈、思わず素っ頓狂な声を上げ、孝司に笑われる。

「そ、そんなに笑わなくても…」

佳奈が言うと、

「ごめんごめん、そんなリアクションがくるなんて思っても見なかったからさ。
テープ、ここに貼り付けて行くから付けてって」

「あ、はい」

いつの間にか置き終っている…作業が早い。

「早いですね…作業」

テープを貼りながら話しかけると、

「早い?佳奈ちゃんが丁寧すぎるんだよ」

「はぁ…」

そう答えると、クスッと笑っている孝司だった。
そんな場面をパイプ椅子…4個持った貴子が目撃する。

「なんじゃ、あいつ…」

思わずガンを飛ばす。
そんな視線に気付いた孝司が貴子を見る。
思わず悪寒が走る孝司だった。

その日の夕方、すべての作業が終わると、

「じゃ、ホテル行くか」

彼と池田の周りに集合した佳奈たちに言う。
ぞろぞろと駐車場に向かっていると…

「佳奈ちゃん!」

「えっ?」

佳奈を呼ぶ声が。
一瞬にして部員たちの視線が佳奈に集まる。
佳奈も思わず振り向く…孝司だ。






< 81 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop