先生のビー玉
ロビーからすぐあるレストランに入る。
どうやらバイキングのようだ。
貴子が目を輝かせてお皿いっぱいに取っている。
その反面、恭子は上品に盛っている。

佳奈は…
スイーツの前で止まっている。
すると…

「戸田、そっちは飯を食い終わってからだぞ」

振り向くと、皿にたくさん料理を乗せた彼が立っている。

「あ、おいしそうだなぁって思って…
あ、先生、どれが一番おいしそうですか?」

皿を覗く。

「ん?あぁ、あれがうまそうだったぞ…
これ」

彼の後に続く佳奈。

「あ、ホントだ。じゃ…
あれ?それは…あ、あそこか。
あ、パスタおいしそうですよ…
いっぱい取っちゃおう」

必死でパスタを取る佳奈。
それを貴子と恭子が並んで見ている。

「ねぇ…田村のあの顔。
どっからでてくんだろうねぇ…」

恭子が呟く。

「ほれてまうやろ~」

貴子が吼える。

「惚れてるやろ」

恭子が呟く。
二人…ニヤリと目を合わせる。

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