先生のビー玉
佳奈の前に座り、

「あのな、これは…」

説明が始まる。
すると…

「あ、だった！これがこうなって…」

佳奈が思い出したように解きだす。

「そうそう、正解」

彼に言われた佳奈は、笑顔でＶサインをしている。
それを見てお互いの手を握りしめる貴子と恭子。

それからしばらく佳奈は問題をチェックしていた。
二人を見た彼…

「お前ら、なにやっとるんだ？」

「いえ、愛の語らいを…」

「あほかっ」

それを聞いた池田が二人の頭を小突き、

「周りを見習えっ」

と呆れていた。

「人選ミス」

ボソッと彼は呟き、それを聞いて笑う佳奈だった。
それから１時間後、全員会場のそれぞれの席に座っている。

貴子はあくび、恭子はきょろきょろ、佳奈は…うつぶせになっている。

「田村先生…戸田…」

「あ、ちょっと声かけてきます」

池田の一言に田村が反応する。
彼女の隣に立つ。
頭を小突くと、ひょいと頭を上げる佳奈。

「気分悪いか？」

と言われた佳奈、

「だ、大丈夫ですっ」

あわてて答える佳奈。

「それなら良い」

笑ってその場を立ち去ろうとしたときである。

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