ツンデレ彼氏サマ
ツンツン彼氏。
「そーらーくん!」
「…………」
3-Dの教室のドアを開けて彼を呼ぶと、周りの皆の視線が一気に彼に集まる。
毎度ながらこうやって彼を呼んでも、彼からは無視されるか冷たい瞳を向けられるだけ。
今日は、無視されました。
っていうか宙くん寝てます。友達が隣にいるのに寝てます。
しかも"彼女"が呼んでるのに寝てます。
ひどい!!!!
「おい宙、彼女ちゃん来たぞ」
「……寝てるって言って」
いやいや。普通に会話してるじゃないですか。
「もぅ宙くん!起きてるでしょ!?今日は一緒にお弁当食べるって約束だったじゃんかっ」
待ちきれなくてズンズンと宙くんのいる所にむかった。
これも毎度のこと。
私が迎えに行って無理矢理連れて行くの。
いつもやってるもんだからいつの間にか宙くんのクラスメートには笑い者にされるし、宙くんのお友達とも仲良しになった。
「いつもご苦労様。紗耶香ちゃん」
「直太先輩もお昼には私の所に来るように言っといてくださいよ。宙くん連れてくの大変なんですよ」
「え、俺の所為?」
ぐいぐいと宙くんの腕を引っ張って身体を起き上がられようとしてるんだけど…びくともしない。
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