ツンデレ彼氏サマ
涙が零れる前に急いで顔を覆って目許を擦った。
泣いちゃ駄目。
こんな些細なことで泣いてたらやっていけないでしょ!
「私の彼氏はねー、そんな優しくないよ」
アリサちゃんはちょっと考えてから言った。
「…優しくないの?」
「あー…優しいけど、なんていうかな。照れ隠し?で冷たくされることはあるよ」
照れ隠し?
照れ隠しで冷たくされるの?
よくわかんないと顔で訴えるとまた少し考えてたアリサちゃん。
「付き合い始めの頃は結構そうゆう事あったの。学校ではあまり話さなかったし、デートだって二ヶ月に一回くらいだったし」
「………」
「最初は仕方ないなって思ったよ?私も恥ずかしかったからね。でも」
「でも…?」
「半年経っても付き合い始めと変わらなくて、嫌でちょっと喧嘩したの」
喧嘩…。
その言葉を聞いてちょっと不安になった。
私は宙くんと喧嘩したら、どうなっちゃうんだろ。
ちゃんと仲直りできるのかな?
アリサちゃんは思い出しているのか、クスクス笑っていた。
面白いことでもあったの?