路地裏ロマンチック

プロローグ



――放課後の出来事だった。




「宿題、はやくやれよ!!」


「えっ…」


「聞き返してんじゃねぇよ!」


――バキッ




「げほっ、げほ………」

「んじゃね、冴霧ちゃん♪」
「ありがと―、助かったよ!!冴霧」


そう言って、奴等は僕の机の上に今日出された宿題を、乱雑に置いて帰って行った。



いつから、始まったか分からない。

小学校入る前からいじめられていたのは、覚えている。



もう分かっていると思うが、僕は世間でいういじめられっ子だ。

だから、これがいつもの日常。


クラスメートに暴力を振るわれ、嫌なことを押しつけられたり、クラスメート全員にパシられたり…………



毎日毎日、繰り返される…

バカバカしい、日常


僕に友達がいなければ、両親もいない。



だけど、その日はどんな日よりも、最悪だった。





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