雨のあとに

２人がレインを探しに行ってから大分時間がたったけど、２人が戻って来る気配はなかった。気分も良くなったし、なにより２人が心配だったからあたしは待っていろと言われた場所を離れて探しに行くことにした。

街の中を歩いているとまた少し気分が悪くなったけど、さっきよりは大分マシでなんとか進むことはできる。吐かないように口を手で抑えて辺りを見渡しながら歩いていると頭にある疑問が浮かび上がった。

アチコチに壊れた建物はあるけれど人の気配がないことに気づいた。おかしいな、避難した人がいないのは分かるけど、無傷の人とかが街の片付けをしていてもいいと思うけど。「う〜、また頭が痛くなってきた。」と思った瞬間、後頭部への激しい衝撃であたしは前に倒れ込んだ。

『やった、魔女を倒したぞ!!』

頭上から聞き覚えのない声が聞こえる。

『油断するなよ、相手はこの国を滅ぼそうとした化け物だ。とにかく動けなくしてランジュ様に差し出そう。』

薄れる意識の中で大勢の人の足が見えた。誰かがあたしの両手両足を縛って荷台に乗せ、動きだした。そこであたしの意識は途切れた。

気がつくとあたしは壁に縛り付けられいて、目の前には沢山の兵士があたしに弓を構えていた。兵士たちの後ろには貴族みたいな男の人と、大きな王冠を被った女性が立っていた。あの人がファランの女王様みたいね。もしかしてあの人がランジュ様かしら？