雨のあとに
今、全部理解してしまった。レインの言葉もマリアの言ってることも。
アタシは魔王で、レインとアレクを…殺した?
『イヤー!!そんなの嘘よ、アタシは殺してない。レインを、アレクを殺してなんかない!』
『落ち着いて雨、落ち着きなさい。』
泣き叫んで暴れるアタシをお父さんが抑えようとしている。マリアはゆっくりアタシに近づいて囁いた。
『ぜーんぶあなたの為にしたのよ、魔王陛下。』
アタシは固まって動けなかった。アタシがいたからマサルドリアもファランもこの国も、大切な人も愛する人も全部アタシのせいで傷ついた。悲しみに打ちのめされているアタシを見てマリアが笑った。すると海の中からシーバーが飛び出しきた。そしてマリアに切りかかった。
『それ以上アメ様に近付くな!』
シーバーの剣をマリアはヒラリとよけて離れた。マリアが指を鳴らすとヴィッセルとレディアが現れた。
『二人共、アメを連れてきな。』
マリアの合図でヴィッセルとレディアが襲ってきた。それをお父さんとシーバーが応戦する。止めて…これ以上アタシの為に傷付けないで。深い悲しみと同時にどす黒いエネルギーが溢れ出した。
橋は壊れ、お父さんとシーバーは魔力の嵐で吹き飛ばされた。
『素晴らしいわ!これが魔王の力。アメ、ここは一旦引くけどあなたは必ずアタシの物にして見せるわ。』
マリアはそう言ってヴィッセル達と共に消えた。マリア達がいなくなっても魔力が治まらない、それどころかどんどん酷くなっていく。そして魔力と同時に黒い感情が溢れて来る。この世の全てが疎ましくなって、何もかもが嫌になった。
「消えろ、壊れろ、無くなってしまえ」
そんな気持ちが止まらなくなってきた時、頭の奥からレインの声が聞こえた。
「ダメよ、お姉ちゃん!」
憎しみが消えていき、アタシは自分を取り戻した。気がつくと辺りは荒れ果て、綺麗な橋は消えていた。傍らには傷付いて気を失っているお父さんとシーバーが横たわっている。
『…お父さん。』
お父さんに触れようとした手を握りしめて直ぐに止めた。もう2人の近くに居られない。アタシがいたら2人が居なくなってしまうかもしれない。魔王のアタシが居たらダメなんだ。アタシは2人を置き去りにしてその場から逃げ出した。
アタシは魔王で、レインとアレクを…殺した?
『イヤー!!そんなの嘘よ、アタシは殺してない。レインを、アレクを殺してなんかない!』
『落ち着いて雨、落ち着きなさい。』
泣き叫んで暴れるアタシをお父さんが抑えようとしている。マリアはゆっくりアタシに近づいて囁いた。
『ぜーんぶあなたの為にしたのよ、魔王陛下。』
アタシは固まって動けなかった。アタシがいたからマサルドリアもファランもこの国も、大切な人も愛する人も全部アタシのせいで傷ついた。悲しみに打ちのめされているアタシを見てマリアが笑った。すると海の中からシーバーが飛び出しきた。そしてマリアに切りかかった。
『それ以上アメ様に近付くな!』
シーバーの剣をマリアはヒラリとよけて離れた。マリアが指を鳴らすとヴィッセルとレディアが現れた。
『二人共、アメを連れてきな。』
マリアの合図でヴィッセルとレディアが襲ってきた。それをお父さんとシーバーが応戦する。止めて…これ以上アタシの為に傷付けないで。深い悲しみと同時にどす黒いエネルギーが溢れ出した。
橋は壊れ、お父さんとシーバーは魔力の嵐で吹き飛ばされた。
『素晴らしいわ!これが魔王の力。アメ、ここは一旦引くけどあなたは必ずアタシの物にして見せるわ。』
マリアはそう言ってヴィッセル達と共に消えた。マリア達がいなくなっても魔力が治まらない、それどころかどんどん酷くなっていく。そして魔力と同時に黒い感情が溢れて来る。この世の全てが疎ましくなって、何もかもが嫌になった。
「消えろ、壊れろ、無くなってしまえ」
そんな気持ちが止まらなくなってきた時、頭の奥からレインの声が聞こえた。
「ダメよ、お姉ちゃん!」
憎しみが消えていき、アタシは自分を取り戻した。気がつくと辺りは荒れ果て、綺麗な橋は消えていた。傍らには傷付いて気を失っているお父さんとシーバーが横たわっている。
『…お父さん。』
お父さんに触れようとした手を握りしめて直ぐに止めた。もう2人の近くに居られない。アタシがいたら2人が居なくなってしまうかもしれない。魔王のアタシが居たらダメなんだ。アタシは2人を置き去りにしてその場から逃げ出した。