雨のあとに
追っ手の気配はないみたいだけど、まだ安心できない。この人は本当に味方なのかな?

『もう一度聞きますけど、あなた誰なんですか?』

あたしが質問するとその人は兜を脱いで、茶色い髪で瞳がグリーンの好青年が顔を出した。

『挨拶が遅れて申し訳ありません、俺はレオナルド・コンバートと言います。レオンとお呼びください。』

『レオンさんって何者?どうしてあたしを助けてくれるの?あたし魔族だよ?』

散々魔族と言われているんだから自分から言っといた方が楽よね。

『知っていますよ、だから助けに来たんです。それに俺も魔族です。』

嘘、魔族って本当にいたんだ!?てゆうかヤバい?魔族になんか連れ去られたらおしまいじゃない。

『降ろして、今すぐ降ろしてください。』

『どうしたんですか?急に暴れないでください、危ないですよ。』

『あたしは人間よ、魔族なんかじゃない。』

レオンさんは馬を止めて逃げようとするあたしに説明をするからと木下に座らせた。

『すいません、何の説明も無しに連れ回してしまって。いいですか?あなたは俺たち魔族の国王陛下の生まれ変わりなんです。』

魔族の次は王様の生まれ変わり?本当に勘弁してよ。
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