雨のあとに
罪悪感に塞ぎ込むあたしを後目にウッドさんは話を続けた。

『カカロンの王族の結婚式の最中に魔族が襲ってきたらしく、その場にいた貴族や王族、民衆も一瞬で消えたらしい。生き残った数名が近くの国にそのことを伝え、その話は世界中に広がった。それから人間と魔族の仲は一気に悪くなり、今となっては再び戦争が起こるって話だ。つまり魔族のお前が村の連中に見つかれば確実に殺されるぜ?』

そんな…あたしの所為で戦争が起こるかもしれないなんて。自分の情けなさを痛感し、唇を噛み締めているとウッドさんはポンと頭を撫でた。

『ま、体が動くようになってからで良いからよ。それまでは大人しく家でゆっくりしていけや。』

『そんな、ダメです。直ぐに出て行きます!』

急いで立ち上がろうとしたけど、体はまだ回復してなくて床に倒れてしまった。

『馬鹿やろう、まだ治ってないんだから大人しく寝てろ。』

布団に戻そうとしたウッドさんの手を払いのけた。

『ダメ、ダメなんです。あたしが居たらウッドさん達に迷惑がかかるから。』

『どういう事だ?説明してくれ。』

『それは…。』

一瞬迷ったけど、ウッドさん達の為にも話さなくてはいけないと思い事情を全て話した。
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