雨のあとに
『ちょっと待って。信じられないかもしれないけど、あたしは違う世界から来たみたいなの。ここ地球じゃないんでしょ？』

『あなたは異界からやって来られたのですか、どうりで今まで陛下の気配を察知できなかった訳だ。』

信じるんだ。

『察知って何？』

『昔から国王がお亡くなりなった後、魂が再び世界に現れたことを伝える巫女がいるのです。巫女は強い魔力を持っており、国王の気配を感じ居場所を知ることができるのです。そうやって生まれ変われた国王をお迎えに行っていたのですが、前国王がお亡くなりなってから３０年経っても国王の気配を感じられず我々も不安を感じていたのですが昨夜巫女から陛下の気配を感じ取ったと言われて俺がお迎えに参ったのです。』

『それじゃあ、あなた達があたしをこの世界に呼んだの？』

『さあ？俺も巫女からあなたが現れたと聞いただけで詳しくは知りません。』

『本当にあたしなの？あたしが王様の生まれ変わりなの？』

『それを確かめる為にあなたを魔国に連れて行くのです。』

『魔国って何？』

『この世界は人間国と魔国とに別れているのです。我々が向かうのは魔国の王都マサルドリアです。』

マサルドリアに向かう途中色んな事を聞いた。人間と魔族はずっと仲が悪くて３０年前まで戦争があったらしい。今は停戦協定を結んでいるらしいんだけど、いつまた戦争が起こってもおかしくないんだって。だから魔族が人間の国にいるのは危険なんだ。
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