雨のあとに
今、マサルドリアは混乱の渦のド真ん中に落ちている。人間とのトラブルは以前からいくつかはあった。

けれど、今では以前とは比べものにならないほどに急増していた。人間国では魔女狩りのように国内にいる魔族を探し出し、魔族と関係のある人間も一緒に牢獄にいれられ、逆らう者は容赦なく処刑されていると聞いた。

そういったことから人間国から魔国に戻る魔族がどんどん現れ、マサルドリアに集まった。

それと同時に魔族のフリをして魔国に侵入する人間が現れ、付近の村で騒ぎを起こし始めた。

魔王の力を恐れ、直接マサルドリアを攻撃するようなことを考える人間はいないけど、人間達の中で反魔族の人間が次々に現れ、個別で魔族に攻撃をするようになった。

その為、魔国に入国するのを厳重に選別する必要があった。人間と魔族を判別するのは魔力を調べれば簡単にできる。

けれどディーンのように魔力を持たない魔族・ドハースや魔族と関係がある人間を見分けるのは難しい。魔国内にその人の存在を証明できる人がいれば話は別だけど、それ以外の人を受け入れないのが現状だった。

そういった問題が沢山増えているのに、さらにあたしを国王と認める認めないで賛成派と反対派に別れ、仲間内で口論も始まった。
< 164 / 201 >

この作品をシェア

pagetop