雨のあとに
自分では上手く笑えていると思っていても全然ダメだった。あたしは開き直るようにディーンに想いをぶつけた。

『だって、だって!!あたしが居るからこんなことになったんだよ?そんなの辛いよ。それでもマサルドリアに戻って頑張ろうって思った。けど、あたしが戻っても問題が増えるだけだったじゃない。あたしに生きている意味なんてあるの?あたしなんて居ない方が良いんだよ!あたしなんて…』

パンッ!!

ディーンがあたしの頬をぶった。ぶたれた頬を抑えながらディーンを見つめた。

『貴様がどれだけ酷いことを言ったか分かっているのか?居ない方が良いだと!?私がアメが戻ってどんなに嬉しかったか分からないのか!私だけじゃない、多くの者が喜んだ。』

『あたし、自分のせいで人が傷付いていくのが辛くて。』

ディーンはあたしを抱き寄せた。

『アメの責任ではないと言っているだろう、アメは単なるきっかけにしか過ぎないのだ。それでも責任を感じるのなら王に戻り、国を支えてくれ。私がアメを支える、心配するな。』

『ごめん、ごめんね。あたし、頑張るから。何があってもディーンの側で頑張る。』

何度も自分を励まし、頑張ろうって思った。だけどディーンの一言一言が胸の奥を暖め、勇気をくれた。これからも挫けそうになると思うけど、ディーンが居てくれたら頑張れる。
< 166 / 201 >

この作品をシェア

pagetop