雨のあとに
もしあたしが王様の生まれ変わりだったらマサルドリアの王様になれって言われた。どうやって調べるのかレオンさんに聞くと、王様にしか使えない道具があってそれで確認するらしい。

数時間ずっと馬に乗っているからお尻がジンジンする、あとどれくらいかかるのか聞こうとした時まだ自己紹介していなかったことに気づいた。

『あの、今更なんですけどあたし雨って言います。北浦雨、よろしくお願いします。』

『そう言えば、まだお名前聞いてなかったですね。ずっと陛下とお呼びしているので気づきませんでした。』

『その陛下って呼ぶの止めてくれませんか?雨でいいです。あと敬語も止めてください、なんか恥ずかしいんで。』

レオンさんはクスって笑い答えた。

『いいよ、じゃあアメもレオンって呼び捨てで頼むよ。敬語も無しでね。』

『分かった、レオン。あとどれくらいかかるの?お尻痛いんだけど。』

『もう少しの辛抱だよ、そろそろ見えてくる頃だと思うけど・・・ほら、あれがマサルドリアだ。』

レオンの指の先には大きなお城と更に大きい町があった。あれがマサルドリア、綺麗だなー。
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