雨のあとに
お城と町は高い塀に囲まれていて、中に入れるのは門からだけみたい。レオンは偉い人みたいで、門番は敬礼しながらあたし達を通してくれた。町の雰囲気は洋風な感じで、辺りにはレンガのお家や噴水などがあって人が沢山いる。あたしは少し気になったことをレオンに聞いた。

『ねぇ、人が沢山いるけどみんな魔族なの?』

『いや、人間もいるんだ。』

『魔族と人間も一緒に暮らしてるんだ、なんだ思ったより仲が良いだね。』

『そうなら良いけど、そうでもないんだ。マサルドリアにいる人間は国王に忠誠を誓った者達、他の人間達からしたら裏切り者だ。』

一緒に暮らすだけで裏切り者なんて、なんか悲しい。ここで仲良く暮らせるんだから他の魔族と人間も仲良くなれないのかな?なんだか町の人の視線が気になりレオンに聞いてみた。

『さっきからやたらと人と目が合うんだけど、あたしって目立つのかな?』

『この世界では双黒は目立つんだよ、双黒の魔族は何千年か前に一人いただけだからね。』

あたし一人でこんなに目立つんだったら、ここの人が日本に来たら大騒ぎね。町を抜けるとお城の門にたどり着いた、目の前にすると本当に大きいお城だ。
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