雨のあとに
お城の大きさに圧倒されていると門番にジロジロと見られているのに気づいた。

『あたしってこの国の国王かもしれないんだよね?門番に変な目で見られたんだけど、あたしのこと知らないの?』

『アメのことは俺を含めて5人の貴族にしか知らされていないんだ。国民にはちゃんと分かってから教えるつもりなんだ。』

『へぇー、5人の貴族ねぇ。っていうことはレオンって貴族なの!?』

『まあ先代国王の息子ですから。貴族と言っても王位継承は血ではなく、魂だからあんまり関係ないけどね。』

『そっかー、ん?ってことはレオンは前世のあたしの息子!?』

『そういえばそうだね、父上。』

ちょっとショックかも、前世だから関係ないかもしんないけどなんか嫌だな。色々話しているうちにいつの間にか王室に着いていた。

『じゃあアメ入って、中には俺の兄弟と母上それと王佐がいる。そして中ではアメが本物の国王かどうか確認する準備がしてある。』

『ねぇ…大丈夫かな?確認って痛くない?』

『大丈夫、あるモノを手にすればいいだけだから。』

緊張するあたしを解してくるよう笑顔で扉を開いた。広い部屋に赤い絨毯が敷かれて王座の前に3人の男性と1人の女性がいた。
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