雨のあとに

みんなに見られ、恥ずかしくなって話をきりだした。

『それで、どうやってあたしが王様の生まれ変わりだって調べるの？』

ディーンさんが黙って足下にある綺麗な宝石で細工された箱を持ってあたしに近づいて来た。

『これだ。』

そう言いながらディーンさんは箱を開けた。なかには丸い赤色の石が鎖で繋がった金の鍵が入っていた。別に普通の鍵にしか見えないけど。

『コレをどうすれば？』

『手に持って魔力を込めればいい。』

ディーンさんは淡々と答えた。魔力を込るってどうすればいいの？とりあえず鍵を取って眺めてみた。すると困っているあたしにカーダさんが助け舟を出してくれた。

『鍵に語りかけるよう、念じるのです。』

念じる、あたしは言われた通りに心で鍵に話しかけてみた。鍵さん、答えて。すると急に意識が遠くなった。

これは夢？この感じどこかで、そうだここに来た時に見た夢と同じ感じ。
『やっと会えた。』

遠くから響くような声が聞こえた、この声も夢と同じ。だけど、前よりハッキリと聞こえる。あなたは誰？

『僕は君の力、僕は世界の鍵。』

鍵？そっかあれがあなたなのね。

『呪文。』

あたしは急に意識が戻った、夢をみていたはずなのに時間がちっとも経っていない。