雨のあとに
会議は数日続いて、あたしはエレットに城を案内してもらったり魔族について教えてもらったりした。一番驚いたのは魔族はすごく長生きで同い年ぐらいのエレットは実は63歳だと聞いた時だ。
そして朝食を食べている時にカーダから会議の結果を発表された。あたしはナイフとフォークを置いて少し緊張気味で聞く体制になった。ディーンさんとエレットはカーダさんではなくあたしを見ているし、メリンダさんは楽しそうにこの場面を楽しんでいる様子だった。なんか深刻そうな話ではない・・・と思う。

『では、この度マサルドリア初の女王について魔国の貴族達で会議を行った結果をお伝えします。異界から来られた女王にそのまま王位を渡すのは反対だという意見がありましたので、先代国王のお妃様であったメリンダ様の提案で子息三人のディーン、レオナルド、エレットのいずれかと婚姻を結ぶことで女王の存在を認めると決定されました。』

『ちょっと待って、よくわからないんだけど。コンインを結ぶって何?』

『婚約するという事です。』

『へぇ〜、婚約ね。って結婚しろってこと!?しかもこの3兄弟の誰かと?そんなの絶対に嫌よ!だいたいあたしは女王になんかなりたくない。』

結婚なんて冗談じゃない、あたしまだ15だよ。彼氏もいなかったのにいきなり結婚しろってひどすぎる。あたしの完全拒否を聞いてエレットが立ち上がった。

『嫌なのは貴様だけではない、僕だって嫌なんだからな。』

『国の決定だ、観念しろ。』

ディーンさんは眉間にシワを寄せたままエレットと多分あたしにも冷たく言い放った。エレットはその一言で仕方ないという顔して椅子に座った。
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