雨のあとに
途中で誰にも見つからずにすんだけど、門にはやっぱり人がいるしかも2人も。どうしようかなー、そうだ鍵!国王の鍵なんだから便利な魔法とか使えるでしょ?なんとかしてよ。鍵は何の反応も示さない、どうして?剣に変えた時はちゃんと応えてくれたのに。

困っているとお城の中が騒ぎ声が聞こえた。ヤバい、あたしが逃げ出したのがバレたのかも。あたしは急いで隠れようとして、近くにあった馬に繋がれた荷台の中にあるシートみたいな物の下に隠れて隙間から様子を窺った。お城の中からディーンさんが出てきて何か兵士に指示を出している。

『国境近くで人間が騒いでいると報告があった、数名は私と先に偵察に行く。あとの者はレオナルドの指示に従え。それと武器が必要かもしれん、用意しておけ。』

兵士は直ぐに命令に従って動き出した。ディーンさんってやっぱり偉いんだなー、なんかカッコ良いかも。なんて考えてたら1人の兵士がコッチに来るから、頭を引っ込めて隠れた。何で?バレたのかな?するとあたしが隠れている荷台が動き出した、隣りにある箱の中を見てみると剣が入っている。もしかしてって考えるとディーンさんの声が聞こえた。

『用意はできたか?』

『はい、これに剣と弓を積んでおります。』

さっきの兵士が返事をする。って嘘ーッ!!あたしよりによって武器を積んでる荷台に隠れちゃったの!?
< 26 / 201 >

この作品をシェア

pagetop