雨のあとに
あたしはその話を聞いて涙が止まらなかった、ただ哀しくて。

『ごめんなさい、前のあたしがそんなヒドい人だったなんて・・・』

謝るあたしにレオンは焦りながら言った。

『アメが謝ることじゃない、前世のことだし記憶がないんだから仕方ないんだ。』

『知らないで許されることじゃない、前世でも魂は一緒だもの。それなのにみんなあたしに親切にしてくれるなんて。』

『アメが父上とは違うって知っているからだよ。命がけで子供を助けようとしたり、魔族のやり方を変えてくれると言ってくれただろ?あの言葉を信じているからアメに期待しているんだ。みんなアメに立派な国王になってもらいたいんだよ。』

その言葉がとても嬉しくて、早く帰りたいって逃げてる自分が恥ずかしい。あたしは立ち上がって走り出した。

『アメ、どこに?』

『エレットのところ、さっきのこと謝らなくちゃ。』

『エレットの正体は内緒に、本人は気づかれていないと思っているから。』

『わかった〜。』

急いでエレットの部屋に向かった。
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