雨のあとに
すごいワクワクする。お城のお風呂って温泉みたいに広いから同い年ぐらいの人と一緒に入りたかったんだ。

実際はかなり年が離れてるけど、人間に例えたら同い年だよね。なんか犬みたいな言い方だけど。部屋からタオルと着替えを持ってお風呂場に急いだ。

脱衣所に入ると、もうカゴにタオルや着替えが入ってる。エレットはもう来てるだ。服を脱いで、いざお風呂に。

ちょっと驚かそうと静かにドアを開いて、足音をたてずにお湯に近づいてゆっくり入った。

湯気でよく見えないけど、エレットはあたしに気づいてない。笑いをこらえてゆっくりと近づいて思いっきり背中を押してお湯に沈めた。

『あはははっ、ビックリした?』

『誰だ!?くだらんことをするのは。』

あたしがビックリした、お湯から出てきたのはエレットじゃなくてディーンだった。お互いビックリしすぎて固まってしまったけど、ディーンの声で我に戻った。

『貴様は・・・』

『イヤーーー!!』

力いっぱいディーンの顔を殴って、体をお湯に隠した。

『なんで、ここにいるのよ?男湯はコッチじゃないよ。』

『湯殿は一つしかない。』

『ここって混浴なの?』

『城の貴族は母上以外みな男だからな、気にするのを忘れてた。』

『忘れてたんじゃなくて、狙ってたんでしょ?』

『貴様の裸などに興味あるか!!』

『ウソばっかり、鼻血出してるくせに。この変態!!』

『これは貴様が殴ったからだ。もうよい、私は出る。』

そう言って立ち上がったディーンは隠してなかった。見ちゃった、お父さん以外の人の初めて見ちゃった。

『イヤーーー!!前ぐらい隠してよ。』

ディーンは慌て座った。

『すまん、いつものクセでな。』

その後ディーンを後ろに向かせて、その間にお風呂から出ていった。
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