雨のあとに
コレを見ろとディーンが地図を指差した、そこはマサルドリアの東にある大陸で、マサルドリア領土以外の魔国のハルクという国だ。でもハルクは人間の国ミシリアスとフルジマに挟まれサンドイッチ状態の国だった。

『ナニこれ!?ハルクって魔国なんだよね?よくこんな状態で今まで無事だったね。』

『その理由はミシリアスとフルジマの関係にある。この二国は対立の立場にあって何度も戦争が起こっているのだ。その為ハルクが襲われることはなかったのだが、最近になってフルジマからミシリアスに密行船が出入りするようになった。武器を持ち込んでいるに違いない。』

『まさか、ただ物を運んでるだけだよ。心配しすぎだって。』

『それなら何故隠れながら船を出す、二国が友好関係になり奇襲でもされたりすればハルクは一溜まりもない。仕掛けられる前にどちらかの国を潰しておくべきだ。』

『そんなのダメ!それって戦争するってことでしょ?戦争反対、暴力反対!!それに勘違いかもしれないじゃん。』

『勘違いではなかったら同胞が襲われる、それを黙って見ていろと言うのか?貴様は我々魔族と人間共とどちらを生かすつもりだ。』

『どっちもだよ、どちらか一方じゃなくて両方が助かる方法を考えようよ!そんなんじゃ平和な世界になんてなんないよ。』

ディーンとあたしはにらみ合って鼻息を荒くするだけだった。
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