雨のあとに
それを見かねたレオンが口を開いた。

『だったら密行船が何を運んでいるか確かめたらいいじゃないか。行動を起こすのはそれからってことで。』

『それいい、それに賛成!』

『そんな悠長なことをしている場合か、第一誰が偵察に行くんだ?』

『俺が行くよ。』

『あたしも行く。』

レオンの後に続いて手を上げた。

『陛下!?何をおっしゃっているんですか、アナタはこの国の王なのですよ。人間の国なんて行ったらどんな目に遭うか、想像しただけでも恐ろしい。』

カーダが悲鳴の声を上げて、エレットにも注意された。

『そうだぞアメ、女のお前が行っても痛い目に遭うだけだ。』

『あたしは国王として行くの。ディーンの言うとおり早くしないと、とんでもない事になっちゃうかもしんない。本当に運んでいるのが武器だったら止めなくちゃ!相手と平和的に解決するには代表者同士の話し合いでしょ。魔族の代表はあたしなんだから、あたしが行かなくてどうすんの。』

『陛下・・・、陛下がそこまでお考えになっていらっしゃるなんて。私が間違っていました、こうなったら私もご一緒いたします。』

『だったら私も行く。』

『僕も行くぞ、アメは僕の親友だからな。』

カーダとディーンそれにエレットまで行くなんて。

『ちょっと待って、みんなが行っちゃったらマサルドリアはどうすんの?』

『それならアタクシにお任せください。』

あたしの心配はメリンダさんの登場で解決した。この人って本当に神出鬼没な人だよね。
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