雨のあとに
お昼時だったからロゼルスさんが食事の用意をしてくれて、食事をしながら色んな話をした。

『噂は耳にしていましたが、本当に女性の方だったとは。それにその高貴な双黒、今度の国王は本当に美しい。』

『そんなことないですよ。』

『いいえ、本当に綺麗ですよ。』

ロゼルスさんとミーティアさんがあたしを相当褒めてくれるから、少し舞い上がっているとディーンが咳払いをして本題を話出した。

『そんなことより、ミシリアスとフルジマの話を詳しく話してもらえないか。』

そんなことって、婚約者が褒められてるんだから少しは喜んでもいいと思うんですけど。心中のグチを飲み込んでロゼルスさんの話に集中した。

『２・３週間前から港の沖に何度も見かけない船が通ると報告があったので、調べてみるとフルジマから予定されてない船が出たっきり戻っていないらしいのです。そして先日フルジマがミシリアスに降伏するという情報が入りました。』

『何だと!?何故降伏などしたんだ？』

ディーンはロゼルスさんを威圧的に質問した、これじゃあ質問じゃなくて尋問みたい。

『さあ、人間の国のことなので私共も調べようがなくて。』

『もしかしたらフルジマで何か起こったのかも、とりあえず予定通りフルジマに行って調べてみようよ。』

あたし達は夜になる前にフルジマに向かうことにした。ロゼルスさんの協力で魔族だとバレないように変装した。あたしは茶髪のカツラにサングラスをして男の子格好をした。

『何故私も変装せねばならんのだ。』

『アメ程じゃないけど、ディーンの頭も目立つんだよ。』

嫌がるディーンをレオンがなだめるように説得する。

『そんなにイヤだったらロゼルスさんの屋敷で待ってていいよ？』

あたしの一言が効いたのか、渋々銀髪のカツラを被ったディーンは老けてみえてみんなが笑った。コレじゃ嫌がる訳だ。それから準備を整えたあたし達はフルジマへと向かった。
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