雨のあとに
『だったら幸せだったに決まってるでしょ!不幸な人が笑えるはずないじゃない。それに、たしかに人間の寿命は短いわ。だからみんな一生懸命に生きてるの。一秒一秒を大切にして、大切な人と一緒にいられる時間を宝物のように感じるのよ。だから後悔なんてしない、一緒にいなかった方が後悔するわ。』

『陛下・・・。』

『それと!シーバーが幸せじゃなかったら天国にいる奥さんが心配してるよ。奥さんの為にもちゃんと生きなきゃね?』

『陛下、ありがとうございます。私が間違っていました、この命が尽きるまで陛下にお仕えさせていただきます。』

んん!?なんか違う方向にいっちゃた気がするけど、でもまあシーバーが元気になったんだからいっか。

『じゃあ、ずっとマサルドリアに居てくれるんでしょ?』

『はあ、しかし・・・。』

『ディーン達のことなら大丈夫よ。あたしが説得するし、きっと分かってくれると思うから。』

『貴様らそこで何をしている?』

ビックリした。急に大きな声がするから振り返えってみるとディーンがいた。

『なんだディーンだったの?急に大声出したらビックリするじゃない。』

『ずいぶんと仲が良いのだな。貴様の姿が見えないと思い探しに来てみれば、シルバーと密会しているとは。』

『密会って・・・少し話しをしてただけよ。言っとくけど、やましいことなんて一つもないからね。』

『貴様に話がある、ちょっと来い!』

『えっ、ちょっと・・・』

ディーンはあたしの腕を掴んで無理やり引っ張って行った。
< 78 / 201 >

この作品をシェア

pagetop