雨のあとに
横を向いているあたしをディーンが抱きしめた。

『私もだ、私もアメを愛している。』

愛しているなんて初めて言われた。普段なら恥ずかしくて言えない言葉だけど今なら言える。

『あたしも愛してる。』

2人の気持ちを確かめ合うようにキスをした。長い時間キスをしたあと、ディーンはあたしをベッドに押し倒した。ってえー!?

『ちょ、ちょっと何する気?』

『何って、貴様そんなことを私に言わせるのか?』

ということはアレですよね?この流れはアレでしょ?アレしかないって!

『イヤ、絶対やだ。』

覆いかぶさるディーンの体を押しのけた。

『なに!?』

『心の準備ができてないよ、こういうのは絶対ノリでしたくない。つうかできません!』

『すまない、変に焦ってしまった。申し訳ない。』

『いや、そんなに謝られても困るんだけど。したくない訳じゃないけど、怖いの。だからこういうのは覚悟っていうか、なんというかとにかく今はダメ。』

『気にするな、私はアメの気持ちが一番大切だからな。』

『ディーン、なんかキャラ変わってない?』

『キャラ?』

『何でもない、気にしないで。』

『そうか、では私は自室に戻る。』

立ち上がるディーンの袖を掴んで引き止めた。

『待って!今夜は一緒に居てくれない?』

スゴく恥ずかしいけど、今は離れたくないと思った。

『分かった。』

ディーンは頭を撫でて、一緒に寝てくれた。ディーンの腕の中は暖かくて心地いい、あたしはすぐに眠ることができた。

昨晩は久しぶりにゆっくり寝れて、いつもの夢も見なかった。目が覚めたときにはディーンはいなくなっていて、自分の部屋に戻ったみたいだった。
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