雨のあとに
隣に手を握って心配そうに見つめるディーンの姿があった。レオン達も近くにいてくれてる。

『ディーン、あたし・・・』

『アメっ!?まったく、驚かせおって。カーダから急に倒れたと聞かされたときは心配したぞ。』

『陛下ー、私が陛下に余計なことをしたばっかりに・・・うう・・・ひっぐ・・・。』

『ごめんね、カーダも泣かないであなたの責任じゃないから。』

『何があったんだ?』

『急に倒れたのだから何か理由があるだろう、言ってみろ。』

『レオン、エレット・・・。あのね・・・』

それから夢の話を全部話して、みんなは黙って最後まで聞いてくれた。話し終えたあと、レオンが第一声を放った。

『にわかに信じがたい話だけど、アメが嘘を言うとは思えない。』

『ではレオンはアメが犯人だと言うのか?』

『そうじゃない、エレット人の話しは最後まで聞いてくれ。たぶんアメは誰かが見ている光景を夢の中で見ていたんだ。辛いとか怖いとか感じたのはその人の感情をアメが感じていたんだと思う。』

『どうしてそんなことができたの?』

『さあ?それは分からない。もしかしたら鍵の力かもしれないな。』

鍵の力?そういえば夢にも鍵が出てきたっけ。するとディーンが困ったように話した。

『その通りだとすると王の鍵は二つあることになる。そのような話は一度も聞いたことがない。第一それが王の鍵だとしたら使えるのはマサルドリア国王にしか使えないはずだろう、なぜそいつは使えているのだ?』

『手がかりはアメの夢だけだから、まだ詳しいことは分かっていないんだ。結論づけるには情報が少なすぎる』

それからディーンとレオンの言い合いが始まった。いつも止めに入るレオンが始めてしまったら誰も止めることなくシーバー以外はみんなディーン達に加わって騒ぎ出した。

『・・・めて。やめてよ!』

あたしは怒鳴ってみんなを黙らせた。

『ごめん、頭痛いからみんな出てってくれる?』

みんな少し躊躇したけど、悪かったと言って出て行ってくれた。
< 84 / 201 >

この作品をシェア

pagetop