雨のあとに
人が殺されている、それもあたしの夢の中で。きっとあたしの夢に出てきたのは何か理由があるはず。

それに・・・夢のあの子はやっぱりあたしのような気がする、もう一人のあたし。だったらあたしが何とかしないといけない。

小さなバックに必要な物を詰め込んでこっそりと抜けだした。ディーン達を巻き込む訳にはいかない、スゴく嫌な予感がするから。

ベッド上に「心配しないで、すぐに帰ります」と書き置きを残した。

門を通るのは見つかる可能性があったから前に見つけた裏庭にあった抜け道を通ることにした。だけどあたしより先に抜け道の前で待っていた人物がいた。

『シーバー!?どうして?』

『陛下の御様子がおかしかったので、もしやと思いこちらでお待ちしておりました。』

『お願い行かせて、あたしが行かないといけないの!変だと思うかもしれないけど、運命みたいなものを感じるんだ。夢を見たからだけじゃない、あたしの中の何かが訴えかけるの犯人を助けてって。』

『分かりました。しかし、私も御一緒させていただきます。』

『そんな、人殺しを探しに行くんだよ?危険だって!』

『なおさらお一人で行かせる訳にはいけません。それにこの命は陛下に頂いたもの、陛下の為なら危険な場所だろうと喜んで御一緒します。』

『・・・正直に言うとちょっと心細かったんだ。改めてお願いしするね、一緒に来てくれる?』

『喜んで、それでは行きましょうか。』

『うん!・・・でもどこに行けばいいんのかな?』

『まずは最後の被害者が出たトルパギに行きましょう、何か手がかりがあるかもしれません。』

あたしたちはマサルドリアの遥か北にあるトルパギを目指した。
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