眠り王子

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晶は姫を部活へと無事に送り届けてから、男子校特有の汚い部室に入り、自分も部活に出るために着替え始める。

「晶、今日も姫送ったの?」

もう学校の名物になりつつある晶による姫の送り届け。
本当に毎日のように送り届けをするので、送り届けが無い日なんか学校中が騒ぎになる。

「あぁ。途中で寝られたら困るし……」

姫は本当にどこででも寝る。そこがたとえ外であろうとお構いなしに眠くなったら寝る。

「毎日大変だこと」

「そうでもない……」

実際、姫を送り届けるのはさして大変でもない……。

というか……。

「お前ってオカマだったのな」

「はぁ?! 何で?」

「女みたいな話し方だったから」

ふん。っておもいっきり見下してやった。
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