ひとり<ふたり
紅もかなり赤い顔をしてて葵にからかわれてる。



俺達ピュアカップルみてぇ…。



「ああああ、明日…練習するから…」

「あっ、うん…。リンのうちだよね!?」

「ですね…」

「家…ですか…」



なに意識しまくってんの!?



俺までまた恥ずかしくなんじゃん!!



バーカバーカ!!



めっちゃ恥ずかしい…。



クソ恥ずかしい…。



その日は俺も紅もなんだかよそよそしかった。



ちょっと手が触れただけでビクッとしたり。



風呂上がりの紅をまともに直視できない俺はオジサンとボクシングを見て気持ちをごまかした。



頭がおかしくなる…。



今までの俺と、今の俺。



なにも変わってないつもりだったのに…。



心臓が痛いくらい紅にドキドキしてる。



「オジサンはオバサンにドキドキした?」

「昔の話しだろ~。母さんも美人だったんだぞ」

「俺だけがおかしいんじゃないのか…。よかった…」

「昔の母さん、今の紅にそっくりだ」

「へっ!?じゃあ老けたら紅もあんな歳の取り方…」

「どんな意味だ?」



うぅぅぅぅ~…。



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