ひとり<ふたり
再び部屋の中に入って靴を脱いだ。



リビングに入るとお母さんとバチッと目が合ってしまった。



「ミズキはどこ?」

「初めまして、林太郎君とお付き合いさせていただいてる安西と言います」

「林太郎?あははっ!!あのコはミズキよ?」



どうしようもないと判断してすぐに着替えた。



リンの着替えを適当にバッグに詰めて、携帯と財布を持った。



「失礼します」

「ミズキは帰って来るのよね?」

「帰しません。あなたがここにいるかぎり。絶対にリンは渡さない!!」

「小娘がなに偉そうなこと言ってるのかしら?私はあのコの母親よ?」

「だったらちゃんとリンに向き合ってよ!!母親!?聞いて呆れるわっ!!」



そう言って部屋を飛び出してしまった。



完璧にやっちまった。



あたし…リンのお母さんに怒鳴っちゃったぁぁぁぁぁぁ!!



「すっげぇ…。ははっ!!紅最強!!」

「ホント、ごめんなさい…」



リンの震えが止まってた。



よかった…。



一安心したのに…。



「イヤァァァァァ!!」



部屋の中から叫び声が聞こえた。



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