ひとり<ふたり
俺が警察にお世話になった原因がそれだったから…。



紅はそんなんじゃない…。



「違いますよ…。ちゃんと付き合ってる彼女です」

「よく彼女なんてるくれたもんね。汚れまくってるくせに。はい、これが治療費。じゃあもう行くわね。お父さんに迷惑かけるんじゃないわよ」



わかってるから地味に生活してるんじゃないか…。



どいつもこいつも俺を邪魔者扱いする…。



もう…。



イヤだ。



「俺はどうすればいいんですか!!どこでどうやって生きていけばいいんだ!!」

「イヤなら家に戻りなさい。お父さんの跡継ぎになるのね」

「死んでもごめんだ…。誰があんたらに恩返しするか!!」

「別にいいけど。それじゃ、またね」



死んでしまいたいと思ってしまう…。



俺は誰からも必要とされない…。



俺なんて生まれてこなければよかった…。



「ちょっと待ちなよ。それが息子に言うセリフ?」

「実の息子には言わないと思うけど」

「みんなでリンを苦しめて楽しいの!?あんたらみんな最低!!」

「はははっ、お似合いね。あなたたち」



紅の言葉は俺に温かいものをくれる…。



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