ひとり<ふたり
リビングに行って心配してるオバサンに訳を話した。



また泣くんだ…。



本当に俺の知らない温かさばっかり持ってる…。



「痛いってば!!もっと優しくしないと放り投げるよ?」

「お前なんかずっと泣いてればいいんだ…」

「リンだって泣き虫じゃん!!」

「紅ほどじゃない」

「ムカつくぅ~!!」



キレイな顔に傷ができてしまった…。



バンドエイドじゃ。



「なんか不良娘っぽくない?」

「ぽい」

「明日学校で何て言われるんだろう…」

「ケンカしたのか聞かれそ…」



俺達のやり取りを見て微笑むオバサン。



『兄弟みたい。紅がお兄ちゃんでリンチャンが弟!!』なんて言ってる。



たしかに紅は兄だ…強暴な。



そのあとに帰ってきたオジサンにも理由を話した。



なにも言わずに聞いてくれて、最後に一言。



「責任なら私が取る。自分の思うままに生きなさい」



そう言ってくれた。



俺、今日死んでも悔いはない。



この家族にいつか恩返しをしよう…。



< 124 / 516 >

この作品をシェア

pagetop