ひとり<ふたり
不機嫌なあたしを気にするリンは機嫌取りのつもりか、アイスを買ってきた。



今日は高いヤツだ…。



しかも大好きなチョコミント…。



う゛ぅぅぅ~…。



卑怯だリン!!



「機嫌治った?」

「まだ」

「どうすればいい?」

「知らない」

「嫌い?」

「嫌い…じゃないよバカ!!」



リンって犬みたい。



シッポ振ってあたしの言葉を喜んでる…。



あたしなんかのどこがいいんだか…。



諦めたのか猫のキラと遊びだしたし。



「あっ、歌ってくれたら機嫌治る」

「じゃあピアノ弾いて」



本当に!?



弾く弾くっ!!



いつも練習してる曲を弾くとキラをお腹に乗せてソファーに横になった。



伴奏が終わって歌い出したリンの声は話してる時と少し違う…。



力強くて特に癖もない。



うまっ…。



リンはやっぱり完璧だ…。



「超うまい…」

「なんでも出来る憎い男っしょ?」

「自分で言うな」



また惚れ直し…。



< 137 / 516 >

この作品をシェア

pagetop