ひとり<ふたり
やたら色っぽい声ばっかり聞こえる…。



なんだか江戸時代の遊女みたいな…。



「キャァァァ!!須賀っち浴衣~!!」

「超カワイイ~…」

「「須賀っち~!!」」



優しい笑顔でヒラヒラと手を振る須賀…。



なんなんだここ!!



「接客しないのに人気者になんの?」

「うちはほら、キッチンも丸見えだから。リン君もそのうちヤバイよ?」

「マジ?」

「カウンターは女の客、テーブルは男の客かな?で、カウンターに立つ時に名前とかめっちゃ聞かれるよ」



そうですか…。



精神的に疲れそうなバイトだな…。



「リン、裏から玉ねぎ持って来い!!」

「あっ、はい!!何個ですか?」

「一箱だよ!!」



重いのヤダ~…。



こんなバイトやめたい…。



「紅と申します」

「美人だね、今日から?」

「はい、お手柔らかに」



成り切ってんじゃねぇよバカ紅!!



なんだよその流し目!!



モヤモヤしまくる…。



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