ひとり<ふたり
自分も相当独占欲の塊だと気付いた。



リンは誰にもあげない…。



あたしだけのリン…。



ぶぅぅぅぅぅぅ~…。



「紅、海ん中入ろ…」

「僕たち焼きに来ただけだから行ってきなよ。荷物見てるし!!」



神田がそういうからさっそく海の中へ。



ちょっと冷たくて入るか一瞬迷った。



「早く!!」

「なんなの~…。引っ張んな!!」

「お前マジでムカつく!!」



あぁ、リンも同じ気持ちでいるんだね。



あたし達って似たもの同士なのかな…。



結構深いとこでプカプカ浮いてるあたしとリン。



このままあがりたくない…。



「泳げないのに怖くねぇの?」

「だってリンに助けてもらえるもん」

「なに言ってんだか。お互い溺れたら紅は見殺しさ」

「最低ですな」

「うそうそ。一緒に死んでやるよ」



助けるって観念はないらしい…。



でもリンならいざという時、絶対助けてくれる。



って、信じてる…。



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