ひとり<ふたり
目が覚めると紅の姿はどこにもなくて、ヒリヒリする体が痛い。



もうこんな時間…。



あと30分で家を出てバイトに行かなきゃいけない。



歯磨きをしようとバスルームへ行ってドアを開けた。



「ギャッ!!」

「おはよ…」

「なんで開けんの!!早く閉めろ!!」

「昨日見たじゃん…。まじまじと。全部」

「死ねっ!!」



朝から顔が真っ赤な紅に一撃くらってからリビングに行った。



オバサンがキッチンでコーヒーを立ち飲みしてる…。



「紅のお風呂でも覗いたの?」

「開けたらいた…。殴られたよ…」

「どうしてすぐ手がでるんでしょうね~…」

「何か習わせてたの?」

「中学校の時に護身術は習わせたけどソレ以前の問題よ、あのコは…」



生まれつき暴力的ならもうどうしようもないな…。



それにしても日焼けした体が超痛い…。




顔も痛いし…。



バイト行きたくねぇな~…。



でも紅が他の男に狙われたらマジでイヤ。



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