ひとり<ふたり
オバサンの実家に向かってる途中だった。



見たことある景色…。



よく思い出せない…。



「リン?どうしたの!?」

「わかん…ない…。この道…」

「リン!?」

「ミズキ…」

「えっ!?」



ミズキ…。



ミズキの事故現場だ…。



「俺が…ミズキの代わりになれば…」

「お父さん!!リンがおかしい!!」



俺があの時髪なんて切らなきゃ…。



同じ顔じゃなければ…。



「しっかりしろ!!」

「えっ?」

「大丈夫か!?」

「あっ、俺…」



気付けば車が路肩に止まってた。



思い出した、ミズキのこと…。



俺がミズキを殺したんだ…。



「どうしようオジサン…」

「なにがあったんだ?」

「俺…。妹を殺した…」



確かあの日は珍しく雪が降ってて…。



だいぶ前に一緒に髪を切ってミズキと同じくらい短くなったんだ。



その日は父さんの会社のパーティがあって、いつも俺だけ連れて行かれてたのに。



あの日に限って俺が熱を出してて、代わりにミズキがパーティに行った。



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