ひとり<ふたり
パーティにミズキを連れ出した父さんは俺を攻めるわけじゃなかったけど…。



父さんなりに責任を感じてたのかもしれない。



全く家に帰って来なくなったのはミズキが死んでから。



俺の顔を見るのがイヤだったのかもしれない。



俺とミズキが同じ顔で…。



「ミズキは俺を恨んでるンじゃないかな…」

「そんなことないよ!!ミズキチャンと仲良しだったんでしょ!?」

「うん…。すげぇ仲良かった…。なのに俺だけ生きてていいの?」



バシッと頭を叩かれた。



いつもより弱い力…。



「バカじゃないの!?リン君はなにも悪くないのに恨むわけないじゃん!!あたしがそのコと同じ立場でもお姉のことは恨まないよ!!」

「葵…」

「リン君が元気じゃなかったらつまんない!!」

「ごめん…」



俺は悪くないのかな…。



俺の代わりになったミズキは俺を許してくれるんだろうか…。



「忘れないでいてあげたらそれでいいのよ」

「えっ?」

「今のリン君ができることをしなさい」



オバサンまで…。



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