ひとり<ふたり
校舎裏で号泣。



とにかく涙しか出なくて教室には帰れない…。



誰かに涙を見せられるようなかわいい人間でもないし…。



本当に、性格ブスなんだ…。



その時だった。



あたしの運命を変える出来事が起こったのは…。




コツッと頭にあたった固いもの…。




顔をあげたら近くに小さなチョコが落ちてた。




見上げた先にはこの学校のアイドル的存在の男のコ…。



「泣き顔、超タイプ」

「なっ!?」

「あんたも泣くんだな、安西 紅」



あたしの名前、知ってるんだ…。



それよりも泣き顔を見られたことが恥ずかしい。



みんなの前では強気でいるあたしなのに…。



「なんなの!?」

「いや、ただかわいいなって思っただけ」

「このこと、ほかのヤツに言ったらただじゃおかないんだから!!」

「へぇ~…」



ベランダから頬杖ついてあたしをバカにしたような態度…。



逃げようかと一瞬おもってしまった。



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