ひとり<ふたり
保健室に連れてった紅に手当てをしてくれる先生…。



俺はさっきから不機嫌なわけで…。



「なんで怒ってんだよ…」

「普通逃げるでしょ!!俺だけでも何とかなったかもしれないじゃん!!」

「だってリンが強いとか知らないし。弱そうだし。リンと一緒にボコられんならいいかな~とか思っただけ」



なんでお前はそんなに男らしいんだ…。



ちょっと今の言葉はグッと来てしまった…。



そんなに俺のこと好きなの?



「俺が紅のこと守るのに!!マジでムカつく…」

「あたしだってリンのこと守ってあげたいもん!!」

「女のくせに!!たまには俺の言うことに従え!!ってか少しは俺にもいいとこ見せるチャンスくらいくれたってよくね!?」

「あっ、ごめんなさい…」

「もうこんなことすんなよ!!」

「うん…」



俺だって全力で紅を助けたいんだ。



いつも紅に助けられてばっかりで…。



ひとりの女くらい守れるんだって見せたかったのに…。



「取り込み中悪いけど次は香山君の番」

「俺はいい!!腹減ったからメシ!!先生、ありがとう!!」

「もうケガしないようにね~」




俺だって男だ!!



紅のバカ!!


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