ひとり<ふたり
クラスが違うリンとはあんまり会わない。



お昼も文化祭の準備で別々に食べるし…。



一緒に住んでるのに寂しいのはなんで?



「なんか顔色悪くない?」

「うん、今日の紅いつもと違うよな。毒づいてねぇし」



失礼だよ、梓と白。



文句言ってなきゃあたしじゃないのかい。



でもそんな気力ないんだもん…。



放課後に練習ができる日は明日から。



それまではクラスの仕事をしなきゃならない…。



頭ガンガンする…。



やっぱり休めばよかったかも…。



そう思って先に帰ろうとした。



「紅?どっか痛い?」

「へっ?」

「なんか具合悪そう…。平気?」

「平気…じゃないっ…」



リンが優しくて…泣きそう…。



目に溜まる涙が熱いよぉ…。



「熱あんじゃん!!一緒に帰ろっ!?」

「うぅぅっ…。泣きそうっ…」

「ちょ、ちょっと我慢して!?すぐ来るから!!」



リンがあたしのために必死だ…。



あたし、ちゃんと愛されてる?



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