ひとり<ふたり
それからリマの一言…。



「使ってない倉庫でよければ提供するよ?」

「「マジで!?」」

「うん、お父さんの会社の空き倉庫があって、周りにはなにもないから使っても平気だと思う」



リマの好意、ありがたくいただく!!



でもさぁ、なんでそんな場所?



「山奥じゃね?」

「山の中だね。でも意外と設備調ってるんだよ?」



とりあえずそこに行ってみることにした。



ひたすら歩くこと1時間…。



隠してあったカギで倉庫を開けるともったいないほどの家具。



「いらないモノ置いてるから」



リマはそう言ったけど俺達には『いらないモノ』には見えない。



高級ソファーとテーブル、まだ使えそうなエアコンと古いテレビ。



宝の山だ。



「すっげぇなマキの彼女!!父上なに者!?」

「小鳩産業っていうちっちゃい会社をやってるんです」



ちっちゃくねぇんだよ、それが…。



さすがお嬢様…。



「この前の社交界でリン君のお父さんに会った」

「ふぅん」

「気にならない?」



ならない…こともないけど…。




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