ひとり<ふたり
なんだか自分から聞くのが凄くイヤだった。



10年会ってない親は今どのくらい老けたんだろう…。



元気なのか…気になるけど…。



「別にいい」

「心配してたよ、リン君が周りに迷惑かけてないかって」

「その情報聞いてどうしろって?」

「ううん、別にあたしが言いたかっただけ!!じゃあお父さんに電話してくるね!!」



リマはやっぱり頭がいい…。



俺の心は見透かされてるのか?



心底恨んでたらこんな風に思わないんだろうか…。



「悪かったなリン…。でもリマに悪気があったわけじゃねぇからな?」

「わかってるって。さりげな~く深いとこ突くのは相変わらずだ」

「悪い…」

「だから別にいいって。少し嬉しかったし…」

「ははっ!!お前変わったな!!」



俺が変わったんだとしたらそれは紅のおかげ。



こんな俺を救ってくれたのは紅の心が俺を向いたから…。



「凄いっ!!水が出たよ!!」

「トイレもウォシュレットだし!!」

「「住めるぅぅぅ!!」」



紅白アホ組の浮かれ姿を見てたら更に安心。



深く悩むことはもうしないんだ。



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