ひとり<ふたり
目が覚めても叶はいるし。



気分がいい…。



3日分の着替えをバッグに詰めた。



「どっか行くの?」

「紅ん家に3泊してくる」

「よかったじゃん!!寂しくないね」

「寂しくないな」



自分で煎れたコーヒーを飲みながら喜んでくれる叶。



もう10年の付き合い…。



「ねぇ、リン」

「ん~?」

「紅チャンのことなら好きになれんじゃない?」

「わかんねぇもん。『好き』って」

「ヤったの?」



首を横に振ると笑いながら優しい目をしてる叶…。



紅は求めてこねぇもん。



だからしない。



でももし求められたら…すると思う…。



「いつまでこんな生活続けるの?」

「知らね」

「リンは日陰にいるより太陽の下にいる方が合ってると思うんだけど」

「俺はアイツのとこに行くくらいなら死んだ方がマシだと思ってるから」

「リン…」



何年耐えてると思ってるんだ…。



この孤独に…。




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